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WORLD

《世界のキーパーソン》 ジェイソン・ファーマン(米大統領経済諮問委員会次期委員長)

米政府の新チーフ・エコノミスト

2013年7月号

 世界経済は、ベン・バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の「量的緩和、年内縮小」方針の表明で、調整局面に入った。次の焦点は、米経済の回復が本物か否かである。

 オバマ大統領は六月、退任するアラン・クルーガー経済諮問委員会(CEA)委員長の後任に、ジェイソン・ファーマンの起用を発表した。「オバマ政権のチーフ・エコノミスト」だ。ホワイトハウスには、CEAと国家経済会議(NEC)があり、外部にはその区別がつきにくい。在ワシントン記者によると、「CEAはミニ・シンクタンク、NECは戦闘司令部」という。諮問委員会は米経済の方向を見極め、経済会議は日々の懸案に対処するというわけだ。歴代諮問委員長には、バーナンキ議長、アラン・グリーンスパン前議長、ノーベル経済学賞受賞のジョセフ・スティグリッツ教授らが並ぶ。

 影響力の大きさは、大統領との近さで決まる。「どの程度、ホワイトハウスのウエストウィング(主要な執務室が集中する)にいるか次第だ」と、米国記者。その点では、「ファーマンはかなり決定的な役割を果たしそうだ」(同前)という。

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