日本マクドナルドの新たな「錬金術」
「不動産業」への転身は早くも頓挫
2013年7月号
「五月にはプラスに転じるだろう」。原田泳幸・日本マクドナルドHD会長兼社長は、年明け以降、たびたびこう述べてきた。そして六月十日、同社が発表した五月既存店売上高は、前年同月比〇・五%増加というものだった。
同社の月次セールスレポートの更新は毎月十日ということになっているが、実際には内容が良ければ早く発表され、悪ければ十日頃に発表されるのがこれまでの通例だ。原田氏の自信ぶりからどれほどの結果を出すのかが注目されたが、わずか〇・五%のプラスとは、前年同月が二桁マイナスだったことを考えれば、とても浮上と言えるものではない。
「そもそも、既存店売上高がプラスだったというのは、不採算店を少しずつ撤退しただけの話。あとは、営業時間の強引な二十四時間化。よく言われるメニュー戦略、価格戦略、プロモーションなどは誰がやっても変わらない」と、同社関係者も切り捨てる。
そして、本誌前号で既報の通り、原田氏は強引に直営店のフランチャイズ(FC)化を進め、店舗売却益を特別損益とせず営業損益項目として扱い、「連続経常増益」をつくり上げることで自身の経営手腕を演出してきた。だが、直営店のFC化・・・