「首相安倍」への評価は依然低い
安定政権へのハードルは高い
2013年7月号
首相安倍晋三が「親の仇」と繰り返す二〇〇七年参院選の惨敗、そして退陣から六年。雪辱を果たす時がやってきた。前哨戦とみられた東京都議会議員選挙で自民党は五十九人の候補者全員当選という快挙を成し遂げた。参院選についてもあらゆる情勢調査が自民党大勝を予測する。安倍が衆参ともに安定的な政権の足場を築くことになるのは、ほぼ間違いないだろう。
ところが都議選に勝ち、高い内閣支持率を維持しても、「首相安倍」に対する評価は依然として低空飛行のままと言っていい。安倍に近いはずの自民党幹部ですら声を潜めて嘆息する。
「総理に威風堂々という雰囲気が出てこないんです」
安倍の「首相の器」に疑問符が付くというわけである。側近の忠告にも一切耳を貸さず詰め込む過密スケジュール。毎週どこかのテレビに出演する露出過多。そして、安倍が毎日のように発信を続けるフェイスブックへの書き込みは常軌を逸している。驚いたのは、元外務審議官田中均に対する・個人攻撃・だ。田中は〇二年九月の首相小泉純一郎の電撃訪朝を演出した最大の立役者であった。当時、安倍は官房副長官として小泉とともに訪朝したが、田中が進めた北朝鮮・・・