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経済

《企業研究》みずほ銀行

「内部対立」引きずる多難の船出

2013年7月号

 七月一日―。果たしてみずほはこの日を無事に乗り切っているだろうか。持ち株会社、みずほフィナンシャルグループ(FG)の下でみずほ銀行(BK)とみずほコーポレート銀行(CB)が合併してこの日発足した新・みずほ銀行。みずほではこれに先立ち、六月二十九日の午前零時を期してATMを含むBK・CBのオンラインサービスをすべてストップ。新BKとしての営業初日の窓口が開く直前の一日午前八時までかけて両行のシステムを一本化させた。

「今度、システム障害を起こせば佐藤さん(=康博・新BK頭取兼FG社長)は即刻クビ。それどころか、みずほそのものが終わる。念には念を入れて万全を期さざるを得なかった」。FG幹部の一人は明かすが、競合メガバンクからは憫笑と失笑も漏れる。

「個人向けだけで二千四百万にものぼる口座を管理するBKのシステムに比べれば、大企業向け取引が主体のCBのシステムなどはっきり言っておもちゃみたいなもの。その両行のシステムをつなぐだけなのに顧客の利便性を切り捨てて丸二日以上、計五十六時間にもわたってオンラインサービスを全面ストップさせるなんて考え・・・