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経済

《クローズ・アップ》高橋興三(シャープ新社長)

再建託された「スター片山のハンコ持ち」

2013年6月号

 「液晶テレビへの過剰投資の経営責任は片山さんひとりの問題じゃありません。工場への投資にはみんなが賛成したんですから」

 五月十四日、シャープの経営再建計画発表に先立って行われた社長交代記者会見で、新社長に内定した高橋興三副社長。案の定、「戦犯」片山幹雄会長(同人事で技術顧問に退任)の弁護を忘れなかった。

 シャープ自身の説明や、その後の報道によると、同社はこれまでの町田勝彦相談役、片山会長による二頭政治の「悪弊」や、非力な奥田隆司現社長体制による「迷走」を脱すべく、高橋新社長には権限を一元的に集中させ、再建を主導させるとの筋立てだ。

 複写機や白物家電の営業畑が長く、米州本部長を務めるなど海外経験もある高橋氏。同世代の幹部候補生だった奥田氏や、「片山の片腕」といわれた液晶派閥の水嶋繁光副社長に比べれば液晶色が薄く、シャープ再建には適任との打ち出しのようだが事実、どうか。

 シャープ関係者は、「複写機や白物といっても所詮社内では傍流。結局AV部門の幹部に擦り寄っていくしか生きる道がないんです。高橋氏・・・