「犯罪の巣窟」と化す米軍隊
テロとの戦い「敗北」の真因
2013年6月号
世界最強を誇る米軍が、国内の犯罪組織に深く浸透され、「国家安全保障上の脅威」に直面している。ギャング団は、米軍で最高水準の訓練を受け、街頭での戦闘力を向上させているばかりか、世界各地の米軍基地に巣食って、麻薬取引や武器奪取の拠点にしつつある。さらに米軍は、軍隊内部における性犯罪の急増、麻薬・アルコール依存症の激増という問題にも悩まされており、指導部の対応は後手に回るばかりだ。
米軍はアフガニスタン、イラク両戦争で大規模な地上軍配備を長期間強いられながら、ほとんど成果を残せなかったが、軍内部での犯罪者の跳梁や軍紀の著しい低下は、前線での米軍の機能不全と共通する問題を包含しており、米軍の「失敗の本質」を浮かび上がらせている。