首相の地元で「利権政治」活発に
数々の疑惑抱えた「子飼い」が復活
2013年6月号
いまだ高い内閣支持率を維持し続けている安倍晋三首相だが、その一方で地元の山口県では山本繁太郎知事(国土交通省OB)が首相と連携し、山陰自動車道(推定事業費四千五百億円)や第二関門橋(同三千億円)などの大型公共事業を推進し、旧来型の土建政治さながらの利益誘導を展開しているのは、本誌三月号で指摘した通りだ。
そしてここにきて、そうした利益誘導政治がより鮮明になる兆しが出てきた。四月二十八日に投開票された参院山口補選で、安倍首相自らが白羽の矢を立てた“子飼い”の江島潔・前下関市長が当選したのだ。この江島氏こそ、これまでも首相周辺の関係者をめぐり数々の「癒着」や「利権」が取り沙汰されてきた疑惑の下関市政の中心人物であることは、地元では広く知られている。
参院山口補選は安倍政権初の国政選挙であり、参院選を占う前哨戦との位置づけから、党有力者が相次いで山口入りし、総力戦を展開。結果はダブルスコアによる「圧勝」で、「安倍政権は信任された」との礼賛記事が続いたが、その裏では「これで利権にまみれた土建政治への回帰がさらに進む」と危惧する声が早くも出ている。
江島市政は疑惑のオンパレード・・・