《日本のサンクチュアリ》日本内科学会
医療費を食い荒らす利権集団
2013年5月号
「日本医師会」のように一般の人に知られた存在ではないが、医療界で絶大な勢力を誇る「日本内科学会(日内)」という組織がある。会員数は十万四千人。実に日本の医師の三分の一が所属している。「学会」というからには、学術研究の成果を持ち寄り発表議論する場かと思いきや、そうではない。日本の医療界における最大の権力装置であると同時に、利権の温床でもある。専門医が重視される中で、「内科」などという漠然とした診療科が意味を持たぬ時代になっているが、今なお日内は日本の医療界に君臨し続けている。
年一回の総会は「集金装置」
四月十二日から三日間、東京・有楽町の国際フォーラムで「第百十回日本内科学会総会・講演会」が開催された。その名称からも明らかな通り一九〇三年(明治三十六年)に設立された同学会の節目となる総会である。
年一回の総会に、「講演会」の名称を冠しているのは、かつての「医学講演会」の趣を残しているからだ。演者のほとんどは日内傘下の学会で役員を務める全国の医学部教授、国公立の基幹病院や有名市中大病院の院長・・・