三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

《政界スキャン》

胡散臭い石原のカリスマ性

2013年5月号

 人材不足のいま政界で、カリスマの雰囲気を漂わせているのは、石原慎太郎日本維新の会共同代表一人だけだろう。カリスマの定義がむずかしいが、容姿を含め非日常的な言動で大衆をひきつける資質の持ち主と言えばいいか。

 昨年、亀井静香元国民新党代表は、
「日本で発信力のあるリーダーは石原しかいないんだから」
 と言いながら、石原新党を画策したが失敗した。亀井も石原のカリスマ性に賭けたのだったが、石原の優柔不断に悩まされ続ける。

 ところで、この二〇一三年政局は、七月の参院選を挟んで、相当流動するとみなければならない。自民党の第一党は動かないとして、維新の会は第三党から第二党への格上げを狙い、そのための新たな合従連衡も当然想定される政情だ。

 そんななか、維新の議員党首である石原のカリスマ性が本物かどうか試される。もう一人の橋下徹共同代表(大阪市長)が参院選に出馬して中央政界入りするという観測もあるが、微妙だ。

 東京都知事の末期、石原は突然尖閣諸島の買い取りを打ち上げ、あわてた野田佳彦首相・・・