「憲法改正」安倍はやれるか
自縄自縛の「右傾化路線」
2013年5月号
安倍晋三が首相に返り咲いて初めての党首討論会が開かれた。参院第一委員会室。四月十七日午後三時が開始予定時間だったが、十五分ほど前、早々と民主党代表の海江田万里が入室。次いで安倍。その後がこの日最も注目を集めた日本維新の会共同代表の石原慎太郎。そして最後がみんなの党代表の渡辺喜美だった。
石原に関心が集中したのは過激な発言だけが理由ではない。二月末に軽い脳梗塞を発症して一カ月近く入院生活を送った健康状態にあった。維新の会衆院議員藤井孝男に付き添われて登場した石原は明らかに足元がおぼつかない。軽度とはいえ健康不安説を裏付ける。手にはリサイクルショップでもお目にかかれないような黒の使い古したアタッシェケースを携えていた。やっとの思いで狭い議員席に腰掛けた石原はアタッシェケースを開けるのだが、中から書類が飛び出し、藤井と松野頼久が整理を手伝う光景がテレビカメラに映らないところで続いた。こう描写すると、いかにも滑稽な印象を与えるが、実は石原ほど真面目に党首討論に臨んだ野党党首は初めてかもしれない。健康不安を抱えながら、石原には執念が感じられた。
なすすべなく安倍の長広舌に逆襲さ・・・