中国の資金洗浄地マカオ
取り仕切る六人の「世話人」
2013年5月号
「マカオは返還後、中国大陸から汚れたカネが大量に流れ込む『下水処理場』になった」
長年マカオにおける資金洗浄の闇を取材してきた香港紙記者はこう語る。一九九九年にポルトガルから中国に返還されたマカオは、予想を裏切って発展の道を辿った。その原動力がカジノだ。
日本でも、石原慎太郎や橋下徹などを筆頭として、カジノ誘致による雇用創出と地域振興を叫ぶ勢力はある。しかし実は、カジノが地域振興を担えるのかという点に大きな疑問符がつく。
「カジノが開業してみると、思ったような収益は上がっていない」
二〇一〇年に観光客を狙ったカジノがオープンしたシンガポールの現地紙記者はこう打ち明けた。日本人をはじめとする観光客は確かに集まっているが、あくまでも常識的な賭け金にとどまっているという。パチンコ業界やカジノ事情に詳しいライターはこう語る。
「フィリピンなどでも誘致が進んでいるが、アジアには他に韓国にも存在し過当競争状態。そもそも、世界にあるカジノの中でまともに黒字が出せているのはラスベガスとマカオだけ」
もちろん胴元である運営会社が賭博そのもので負けることはない。しかしホ・・・