《世界のキーパーソン》ジャネット・ナポリターノ(アメリカ 国土安全保障長官)
テロ対策巨大官庁を操る「女傑」
2013年5月号
ボストンマラソンのテロ事件では、小柄なこの女性の姿がひときわ目立った。司法長官、連邦捜査局(FBI)長官ら、男性が多い「ナショナル・セキュリティー・チーム」の中で、二十万人を擁する最重要官庁、国土安全保障省を率いている。オバマ大統領を交えての幹部会合では、大統領の左脇にでんと構えて補佐をした。
二〇〇一年九月の同時多発テロ事件後に誕生した新ポストは、沿岸警備隊、国境警備隊、連邦緊急事態管理庁(FEMA)を抱えながら、FBIや中央情報局(CIA)は管轄外という、微妙な立場だ。初代長官に共和党大物のトム・リッジを迎えたものの、「影が薄い」と評された。その後任のマイケル・チャートフは剛腕検事で鳴らしたが、ハリケーン・カトリーナの被災で大きくつまずいた。
「本人は安保やテロの専門家ではなく、いかようにも批判されやすいポストですが、これまで大きな失敗がない。今回のテロ対応を乗り切り、『次はどのポストか』がいよいよ注目される人物になった」とは、在ワシントン政治記者の評。米誌『フォーブス』の「世界で最も権力のある女性」最新ランキングでは、メルケル独首相(一位)、ヒラリー・クリ・・・
二〇〇一年九月の同時多発テロ事件後に誕生した新ポストは、沿岸警備隊、国境警備隊、連邦緊急事態管理庁(FEMA)を抱えながら、FBIや中央情報局(CIA)は管轄外という、微妙な立場だ。初代長官に共和党大物のトム・リッジを迎えたものの、「影が薄い」と評された。その後任のマイケル・チャートフは剛腕検事で鳴らしたが、ハリケーン・カトリーナの被災で大きくつまずいた。
「本人は安保やテロの専門家ではなく、いかようにも批判されやすいポストですが、これまで大きな失敗がない。今回のテロ対応を乗り切り、『次はどのポストか』がいよいよ注目される人物になった」とは、在ワシントン政治記者の評。米誌『フォーブス』の「世界で最も権力のある女性」最新ランキングでは、メルケル独首相(一位)、ヒラリー・クリ・・・