環境破壊企業の「隠れ蓑」
「世界自然保護基金」の暗部
2013年5月号
二〇一二年十月、欧州気候取引所に上場されている二酸化炭素排出権のひとつ「CER」の価格が初めて一トン当たり一ユーロを切った。かつて二十九ユーロの値をつけたこともあるが、年明けからはさらに下落して直近は〇・三ユーロ程度だ。株であれば上場廃止も視野に入る暴落であり、やはり「目に見えぬ空気を排出する権利を売買する」などという制度に無理があったのだ。二酸化炭素主犯説を世界中に喧伝して、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」に影響力を発揮した最大のロビイストが「世界自然保護基金(WWF)」である。IPCCが発表するリポートの多くがWWFの息のかかった出自の怪しい科学者によって作られていた。
パンダをトレードマークに使用するWWFの存在は日本でもよく知られている。希少生物を守るために活動していると妄信されているが、愛らしいパンダ印は「裏の顔」を隠し持つ。グローバル企業とともに環境破壊に手を染め、さらには軍需産業への便宜供与まで行っている疑惑も浮上している。
保護区での軍事訓練
WWFの実態究明に熱心なのは環境先進国ドイツだ。昨年五月、『シュピーゲル』誌電・・・