次の「キプロス」はどこどこか
小国「金融危機」は次々に起きる
2013年5月号
欧州連合(EU)内で秘密の銀行口座や節税制度により、オフショアとして栄えてきた国々が、ユーロ危機の新たな時限爆弾になっている。今春のキプロス危機に続き、ラトビア、マルタなどの小国でも経済危機の可能性があり、欧州の「小鬼」たちは、今後も市場を攪乱しそうだ。
「我が国は『小マフィア国家』」
バルト三国の一つ、ラトビアの首都リガは、中世ハンザ同盟の面影が印象的な古都だ。だが、夜の帳が降りると突如、危険な臭いが鼻をつく。セックス産業、酒、犯罪が旧市街にあふれ、ロシア語が飛び交い、モスクワにいるような錯覚を持つ。
「ぼったくり」「美人局にあった」「クレジットカード、パスポートを巻き上げられた」と、旅行客は悲鳴をあげる。ここは、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)や犯罪組織が、EUとユーロ圏への入り口として使う場所なのだ。
「海浜リゾートのユールラマは、ソ連時代からロシア人客が多く、夏にはプーチン政権が引っ越してきたようになる」と、現地取材した記者は言う。
国の仕組みもロシアに似ており、地元の「三大オリガルヒ」が、政治、経済を牛耳っていた。バルティス・ザト・・・