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WORLD

米中は再び歩み寄りへ

北朝鮮問題を契機に

2013年5月号

 うまい言葉が生まれるものだ。米ジャーナリズムの一部は米中関係を「フレネミー」という造語で表現した。経済面で両国は良好な関係を保たなければならない相互依存の状態にあるフレンド同士だが、イデオロギーや軍事面では敵対している。  つまり、フレンドとエネミー(敵)の二元論だ。ただし、米中間に少しでも歩み寄りの兆しが出てきただけで米国の同盟国は痛烈な衝撃を受ける。  四月十二~十五日にソウル、北京、東京を訪れて、主に北朝鮮による中距離弾道ミサイル「ムスダン」発射に備える対抗策を協議したケリー米国務長官は北京で朝鮮半島の非核化に向けて、二〇〇五年の六カ国協議の合意履行に取り組むことを中国側と確認したと発表した。「すべての核兵器および既存の核計画の放棄」を約束し、米国にも北を攻撃する意図がないと約束した六カ国協議に戻ることを米中で話し合うこと自体何の意味があるのだろうか。  それは措くとして、中国との関係改善を公言して国務長官に就任したケリー長官の念頭では、中国は北朝鮮問題で不可欠のプレーヤーになってしまった。北京ではひたすら対話や交渉を呼び掛け、中国側はこれに応じる形で調停者と・・・