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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》農薬ムラ

有害「ネオニコ系」を野放し

2013年4月号

「どう見ても奇妙な議事進行だった」―。参加者の多くがいまも納得ができないとばかりの表情を浮かべ、強い不信感を隠さない。

 全国各地の養蜂業者が会員となる「社団法人日本養蜂はちみつ協会(日蜂協)」の第七十二回通常総会が二月十五日、都内のホテルで開かれた。会場には日蜂協会長の大島理森・元農林水産大臣や江藤拓農水副大臣ら自民党国会議員をはじめ、畜産振興課や農薬対策室の農水官僚など、政官の有力者らが顔を揃えた。

 この日の総会は、近年養蜂業界に甚大な被害をもたらしているばかりか、昨今では人体への重篤な影響も懸念され、社会問題化しつつあるネオニコ系農薬問題をめぐる議論やそれに伴う要望・陳情事項が重大な議題として事前に提起されていた。

 しかし、いざ総会が始まると、司会役の農水省OB木村和生・常務理事は、要望を訴える質疑応答を一向に始めようとしない。そのうち、国会議員や官僚が退席し始め、ついに最後まで残っていた大島会長が立ち去った後、しばらくして、ようやく質疑応答が始まった。参加したある養蜂業者は「出席した国会議員や農水官僚に・・・