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社会・文化

「徳洲会内紛」が招く医療崩壊

関東の地域基幹病院が危機へ

2013年4月号

 医療法人の内紛をきっかけとして、多くの地域で医療難民が発生しそうだ。  日本最大の病院グループ「徳洲会」で起きている内紛は、泥沼の様相を呈している。二月、週刊誌で女性問題が報道される直前、德田毅前国土交通政務官が突如辞任したことから一気に燃え広がった。  発端は、今年一月に徳洲会の元専務理事兼事務総長だった能宗克行氏が懲戒解雇されたこと。同氏は、グループ創始者である徳田虎雄理事長の側近中の側近として仕えてきた人物で、過去には奄美群島選挙区における選挙違反事件で逮捕されたこともある。「徳田ファミリーを守るため身代わりになった」(徳洲会関係者)といわれるほどの忠臣であった。しかし虎雄氏が罹患した筋萎縮性側索硬化症という難病が進行するにつれて状況が変わってきた。ここ数年、虎雄氏の周辺を固める家族と能宗氏の対立が深刻化したことで、今回の解雇劇に壓がった。抵抗する能宗氏側がリークしたとされるのが德田毅議員のスキャンダルだった。前出関係者によれば「二の矢三の矢」も準備されているという。 医学部新設計画も水泡に帰す 「これで医療崩壊が加速する」  徳洲会の内・・・