日本郵便の苛烈な下請けイジメ
末端まで切り刻まれる輸送網
2013年4月号
ペリカン便との事業統合による赤字拡大の余波で、かつて一万人を超える契約社員切りを断行し、現場に大混乱を招いた日本郵便(鍋倉眞一社長)に、今度は「低すぎる委託料」によって、再び業務への深刻な影響が懸念されている。
日本郵便の一〇〇%子会社「日本郵便輸送(旧日本郵便逓送)」からの委託で、郵便物や小包などの取集業務に携わってきた運転手は、あまりに条件の悪い求人話に耳を疑った。取集というのは、ポストや特定郵便局から郵便物、小包を集めて回ること。彼が勤める東京都内の運送会社は、日本郵便から日本郵便輸送が委託された取集業務を、再委託という形で請け負っていた。
ところが、「今年二月の入札で日本郵便輸送が落札を大幅に減らしたため、うちの仕事も激減しました。それなら落札業者に移れないかと、条件を訊いてみたのです。すると、びっくりするような悪条件で……」と、この運転手は言う。
取集業務の委託先は、日本郵政グループで郵便・小包の集配や郵便局の運営にあたる日本郵便が入札で決める。入札とはいえ以前は事実上、日逓がほぼ全量を丸請けし、それを地場の運送業者に再委託してきた。その後、資本関係・・・