黙殺される「メタンハイドレート」
「日本の活路」を妨げるのは誰か
2013年4月号
日本が官民あげて取り組んできたメタンハイドレートの試験生産が成功した。経済産業省が主導して、愛知県の渥美半島沖の太平洋で取り組んでいたプロジェクトは水深一千メートルの海底からさらに三百三十メートル掘り進んだメタンハイドレート層から天然ガスを六日にわたって生産した。商業化に向けたブレークスルーといって間違いない。日本の新聞やテレビは米国のシェールガス・オイルの連想もあって「夢の国産エネルギーの実用化」とはやし、国民の期待をかき立てている。
だが、米国で起きた「シェール革命」と同じような“メタンハイドレート革命”が日本で起きる可能性は低い。日本特有の「エネルギー業界の壁」があるからだ。