日本や米国の株式市場が活況を呈し、ヘッジファンドが久々に表舞台に戻ってきた。二〇〇八年の世界金融危機の元凶だった巨大マネーは、急上昇で変動制が増した市場で復活を策している。三月中旬に勃発したキプロス危機は、世界の各種市場指数の回復に大きな危うさがつきまとうことを示した。
安倍相場の次は英国
三月十八日、地中海の島国キプロスが世界の市場を揺さぶった。欧州連合(EU)の救済案を、キプロスが蹴るとの臆測が「ユーロ危機再燃」の観測を生んで、ヨーロッパ、東京など各国の株式市場は大幅に下げた。人口九十万に満たない小国が、日経平均を一日で三百四十円も吹き飛ばした。
「世界中の市場関係者が神経質になっている。昨年末から続く東京やニューヨーク株式市場の、『イケイケ』ムードがどこで弾けるか、市場関係者の見方は定まっていない。わずかな動きに敏感になる」と、在ロンドン金融筋は言う。日本株の復活やNYダウ指数の連日の最高値更新といった市場の動きは、日米中央銀行の大胆な金融緩和政策(またはその期待)に負う。実体経済の動向は市場の先行に追いついていないというのが、市・・・