政界「リベラル」はどこへいった
安倍「右傾化」の対抗軸がない
2013年4月号
連合内で、「民主党を見切り、自民党のリベラル勢力を支持すべきではないか」との声が出始めている。発信元は主に、安倍晋三総理大臣の唱える教育改革や公務員制度改革に不安を持つ日本教職員組合や自治労の幹部らだ。
無論、「夏の参院選で、民主党が壊滅状態になったら」という話ではある。民主党は既に、参院選比例代表に連合の組織内候補十人程度の公認を決めているからだ。再選を目指す日教組の神本美恵子、自治労の相原久美子らのほか、労使とも苦境に直面している電機連合、電力総連なども新人を出す。ただ、民主党が参院第一党の座を守れる展望はなく、公認予定者の出馬辞退も相次ぎ、連合も力が入らない。同じリベラル勢力だからといって、民主党以上に弱い社民党を頼るわけにもいかない。
そうした中、欧米諸国から「右傾化」と警戒される歴史認識や自衛隊のあり方の見直しなどの持論を封印していた安倍が、経済政策を中心に政権運営が好調なせいだろう、封印を解き始めた。集団的自衛権の行使どころか、国連軍の指揮下に自衛隊を入れる集団安全保障への参加まで口にする。国会の「ねじれ」が解消し、高い内閣支持率が続けば、安倍に野党がブレ・・・