溶解する「連合」
露骨に切り崩しかける自民党
2013年4月号
「政権が発足して首相官邸が自分のものになった気がしたよ。天下をとった気分だね。ところが、四十四年間の組合活動で味わったことのない高揚感が、政権発足後わずか一カ月で失望に変わった」
「(政権には)連合のための政治の営みがなかった」
これは、日本労働組合総連合会(連合)トップがかつて産経新聞のインタビューに答えての述懐だ。組織を挙げて支援した政権への期待が、見事に裏切られたとの思いが率直に伝わってくる。
といっても、現在の古賀伸明会長が民主党政権について語ったものではない。実は初代連合会長として、一九九三年の細川護熙政権樹立に大きな役割を果たした山岸章氏の言葉なのである。
細川政権発足から二十年が経ついま、民主党の最大の支持団体である連合は再び、山岸氏と同じ深い疑念と徒労感に囚われているのではないか。
「二つに分かれた方がいい」
今や民主党政権の失敗と弊害は誰の目にも明らかだ。一方、復活した自民党政権の安倍晋三内閣は政権発足後三カ月続け・・・