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悪夢「中東核ドミノ」の構図

オバマ「イスラエル訪問」の背景

2013年4月号特別リポート

 楽観は厳禁だが、核開発を急いでいるイランに若干軟化の兆しが出てきたとの観測がある。が、米国と欧州連合(EU)による経済制裁措置がイラン経済に甚大な影響を与えつつあるからだとの説明はあまりにも短絡している。万が一イランに譲歩の姿勢がいささかでも出てきたとすれば、イランが核保有国家になったときにいかなる事態が生ずるかの現実を関係諸国が改めて認識し始めたからだろう。

 オバマ米政権との関係が深い新米安全保障センター(CNAS)が去る二月末に公表した「原子力王国――イランが原爆を所有すれば、次はサウジアラビアか」では、すぐにサウジが核武装する可能性は少ないとの結論だが、もしイランが持てば、この王国が核を持つ権利は確実に生じる。その場合にエジプトが核武装に走らないとの保証はない。トルコとて同様だろう。

イランに生まれつつある微妙な変化


 イランに核を保有させてはならないと確信するイスラエルが、どれだけの緊張感を持っているか。この国と同一行動を取らなければならないオバマ大統領はイスラエルがらみで中東戦争・・・