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社会・文化

「マフィア」と化す国際五輪委員会

「種目選定」もカネと利権まみれ

2013年3月号

「私はオリンピックを愛しているが、これまでIOCを愛したことはない」  米紙ワシントン・ポストのスポーツ・コラムニスト、トレーシー・ハミルトン氏は二月十四日付の紙面で、国際オリンピック委員会(IOC)の種目決定過程を批判した。  日本では「レスリング落選」と驚きを持って大きく報じられたが、その原因は巷間語られるような「ロビー活動の不足」といった単純な話ではない。在米スポーツ・ジャーナリストはこう語る。 「商業主義の端緒と言われるロス五輪から約三十年が経過して、IOCは完全に腐りきった」  レマン湖の北岸、スイスのローザンヌにあるIOCの本部は、四年ごとに数十億ドル単位の収入を得ている組織の建物としてはこぢんまりとしている。IOCは、どの国や組織にも属していない完全に独立した組織だ。スイスにおける法人格さえ二〇〇〇年代に入るまで取得していなかった。  かつて、東西冷戦期にはこの独立性は、上手く機能し、それゆえに五輪は「平和の祭典」と呼ばれた。しかし冷戦が終わって二十年が経過した現在、この独立性のせいでIOCは「アンタッチャブル」な存在になっている。

「IOC改革」のウソ

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