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連載

日本の科学アラカルト31

地球は温暖化か寒冷化か 宇宙の謎にも迫る太陽研究

2013年3月号

 昨年十二月に環境省が発表した、二〇一一年度の我が国の二酸化炭素(CO2)を含む温室効果ガスの排出量は、京都議定書の基準年と比較して三・六%増加した。最大の要因は東日本大震災に伴う火力発電所稼働の増加である。

 震災から二年が経過するが、福島第一原子力発電所事故の影は濃く、原発再稼働の歩みは遅い。

 背に腹は代えられぬ中で、震災前にあれほど叫ばれた温室効果ガス削減が忘れ去られている格好だが、そもそもCO2を主因とする地球温暖化という説には疑問符がついていることは周知の通り。

 昨年六月に、新聞各紙は太陽活動の低下により地球が寒冷化する可能性があるとの記事を大きく取り上げた。主に太陽の黒点の数の減少などを基に、「眠る太陽」として報道したものだ。本誌は二〇〇九年十一月号「地球『寒冷化』の可能性も」で既に指摘している話ではあるが、直接的に太陽からエネルギーを得ている地球の行く末を占う上で、「温暖化説」よりも、遥かに腑に落ちる説である。

 今になってこうした話が出るのは、日々太陽の恩恵にあずかる人類が、太陽・・・