スズキの世界戦略に「死角」
危機的な「欧州崩壊」と「赤字の二輪」
2013年3月号
「負の遺産を整理し、成長市場に打って出る」
スズキの鈴木修会長兼社長は昨年十一月、米国撤退発表に際して記者団にこう述べた。スズキの米子会社アメリカンスズキモーターコーポレーション(ASMC)は売り上げが五年前の四分の一までに激減、債務超過になった末、米連邦破産法第十一条に基づく更生手続きを申請するに至った。
「米国から撤退し、アジア新興国に集中する大胆な戦略」として、各方面から注目を浴びた。だが、「二輪と特機は米国での事業を継続している」事実に注目したい。まさにスズキの世界戦略の「死角」を象徴しているからだ。