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経済

スズキの世界戦略に「死角」

危機的な「欧州崩壊」と「赤字の二輪」

2013年3月号

「負の遺産を整理し、成長市場に打って出る」  スズキの鈴木修会長兼社長は昨年十一月、米国撤退発表に際して記者団にこう述べた。スズキの米子会社アメリカンスズキモーターコーポレーション(ASMC)は売り上げが五年前の四分の一までに激減、債務超過になった末、米連邦破産法第十一条に基づく更生手続きを申請するに至った。 「米国から撤退し、アジア新興国に集中する大胆な戦略」として、各方面から注目を浴びた。だが、「二輪と特機は米国での事業を継続している」事実に注目したい。まさにスズキの世界戦略の「死角」を象徴しているからだ。

ハンガリーは「十年単位で塩漬け」

 スズキの新世界戦略を検証していこう。まず業績を整理すると、スズキの連結売上高は二〇〇八年三月期の三・五兆円から一二年三月期は二・五兆円まで減少した。・一兆円が消えた”主因は、・GMとの合弁生産解消による米国内での急失速、・円高、・欧州不況、・二輪の赤字の四点だ。逆に言えば、今のスズキを支えているのは、「日本の四輪」と「インドの四輪」にほかならない。そして日本、インドに続く、第三の軸を求めて、イン・・・