りそなの異様な「グループ経営」
OBによる「院政」が横行
2013年3月号
りそなグループの中興の祖、細谷英二氏が亡くなったのは昨年十一月。不良債権処理や関連子会社の整理など、「細谷改革」と言われた経営立て直し策が功を奏し、公的資金返済への道筋もようやく見えてきた矢先のことであった。この細谷氏亡き後の経営を承継することになったのが、四月一日付でりそなホールディングス(HD)、りそな銀行の社長を兼任することになる東和浩氏だ。
「細谷の改革を今後一層深化させていくのが私の使命だ」
一月三十一日の就任記者会見の場で、東氏は細谷路線の踏襲を宣言した。ここでいう「改革」とは具体的に何を指すのか。
「細谷さんは次の改革を考えていた」と語るのは、細谷氏に近いある関係者だ。その最大級のターゲットが東氏の出身母体である旧埼玉銀行をベースとする「埼玉りそな」の取り扱いだったという。「首都圏を地盤とするりそな銀行と、首都圏の一部である埼玉を本拠とする埼玉りそながグループ内で別個に存在するのは経営として無駄が多い。したがって、埼玉りそなをりそな銀行に吸収する考えだった」(同関係者)。つまり、細谷改革の踏襲を宣言した東氏にとって最大の課題は、道半ばにある「埼玉りそなの・・・