乱立「有識者会議」の無駄
群がる「肩書きコレクター」
2013年3月号
「作り過ぎだ」
政府の有識者会議を統括する官房長官の菅義偉は周囲にこう漏らしている。経済政策「アベノミクス」、集団的自衛権行使、国家安全保障会議(日本版NSC)、教育改革……。首相、安倍晋三は最近、次から次へと有識者会議を立ち上げている。
安倍が集めた「有識者」は百花繚乱だ。教育再生実行会議には作家の曽野綾子、高崎経済大学教授の八木秀次、「国家安全保障会議の創設に関する有識者会議」には独立総合研究所社長の青山繁晴、元官房副長官の漆間巌、京都大学名誉教授の中西輝政、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦など「安倍銘柄」が居並ぶ。
なかでも「安倍の強い意向」(官邸筋)で活動を再開させた「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)では、元駐タイ大使岡崎久彦やJR東海会長の葛西敬之らが「政権復帰」した。