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連載

西風 382

「ハシズム」吹き荒れる桜宮高校

2013年3月号

 二月二十日、体罰問題に揺れる大阪市立桜宮高校は、普通科入試(前期)の朝を迎えた。受験生たちは教員の誘導に従い、緊張した面持ちで校内に消えていった。

 桜宮高校ではこの日、本来なら体育科とスポーツ健康科学科の入試が行われるはずだった。ところが、体罰を受けた体育科の生徒が自殺した問題が表面化し、試験日まで一カ月を切る中で、体育系二科の募集中止が決まった。二科の定員計百二十人は、普通科に振り替えられて入試が実施された。

 体育系二科の入試中止を決めたのは大阪市教委だが、それを強く迫ったのは橋下徹市長である。

 市教委側は当初、「入試が直前に迫ったタイミングでの中止は受験生への影響が大きい」(永井哲郎教育長)と否定的だった。それでも橋下市長は「体罰容認の実態が改まっていない段階で新入生を迎えられない」と譲らず、中止しない場合の予算執行停止までちらつかせ、市教委を追い詰めた。

 橋下市長はさらに、桜宮高校の教員総入れ替えや、廃校の可能性にも言及した。極端な発言を一方的に繰り返し、何の落ち度もない受験生や在校・・・