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軍を抑えられない習近平

「尖閣沖レーダー照射事件」の深層

2013年3月号

 東シナ海の公海上で中国海軍フリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に火器管制用レーダーを照射した事件は、日中間の緊張を一気に高めた。防衛省は「秘密事項」として位置を公表しなかったが、尖閣諸島から北西方向の、「周辺」と言える距離だ。護衛艦に急接近したフリゲート艦は西側のコードネーム「ジャンウェイ・級」―対空ミサイルを装備した新型艦だ。この海域を担当する東海艦隊には四隻配備されている。  日本側の抗議に対して、中国側は「事実無根」ということにしてもみ消しに回ったが、中国側にとってこれは、何が何でもなかったことにしなければならない「大事件」だったのだ。  事件が起きたのは一月三十日午前十時。火器照準用の電波照射を感知した護衛艦の警報ブザーが鳴り出し、中国艦が戦闘態勢に入ったことを告げた。レーダー照射は平時の公海上では考えられない行動だ。しかも中国艦の砲身は別の方向を向いていた。中国側が先に手を出したのではないという、明らかな「アリバイ作り」だ。もし護衛艦が反撃に出ていたら、中国側は正当防衛を口実に攻撃していただろう。これほど危険な挑発行為を一体だれが命じたのか。

対日対米融和へ回帰する習近平

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