国連制裁決議なるものの「茶番」
北朝鮮には効果のない「ザル法」
2013年3月号
「我々は同盟国の支えとなりミサイル防衛を強化する。世界を率いて断固たる行動を取る」
オバマ米大統領は二月十二日夜に行った政権二期目の最初の一般教書演説で、三度目の核実験を強行した北朝鮮に強硬姿勢を示した。米国は国連安全保障理事会による対北朝鮮制裁の強化に躍起になっている。
国連安保理は昨年十二月の長距離弾道ミサイル発射を受けた一月二十二日成立の「決議二〇八七」で、北朝鮮が再び挑発行為を実施した場合には「安保理が重大な行動を取る」と警告している。今回の核実験はそのわずか三週間後に行われ、中国も制裁強化には基本的に賛成している。本稿執筆時点の二月二十日現在、米国と中国は新たな制裁決議案づくりに向け水面下で折衝中だ。
だが、疑問がある。安保理は一九九三年に決議八二五を採択して以来、北朝鮮関連で計七本の決議を採択してきた。このうち二〇〇六年十月の核実験を受けた決議一七一八、〇九年五月の二度目の核実験後の決議一八七四、昨年末のミサイル発射を受けた決議二〇八七の計三本には、制裁措置が盛り込まれている。ところが、過去数年間に北朝鮮の核・ミサイル開発にストップがかかった形跡はなく、・・・