料理の最先端「noma」のレベル
北欧の「いのち」を食す
2013年2月号
そのレストランでは初めて見ることの連続で、出端から驚かされる。入り口で出迎えてくれた女性がテーブルに近づいてきてコースの説明を始めた。最初に「突き出し(アミューズ)」が出るが、それが十五皿に上るという。
すると女性は、やおらテーブル隅に置いてあった花瓶を中央に寄せると、そこにさしてある茶色の小枝を指差して、これが一皿目だと告げて立ち去った。手でつまんで食べると、パンを小枝に見立てて揚げてある。イタリアのグリッシーニの感覚である。こうしたアミューズが、四十五分かけて次々と運ばれてくるのだ。