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経済

ホンダの世界戦略が早くも瓦解

インドの自動車政策転換で「大誤算」

2013年2月号

「二〇一六年度までに世界販売六百万台以上を目指す」―ホンダの伊東孝紳社長は昨年九月、こうぶち上げた。 世界販売のうち新興国で三百万台、インドで三十万台を販売するという。だが、現在のホンダのインド四輪現地法人ホンダカーズインディア(HCI)の販売台数はわずか五万台強に過ぎない。つまり、販売を四年で六倍に拡大するという荒唐無稽なものだ。長らく低迷に甘んじてきたホンダは一三年、新たな資金調達によって生産設備拡大とラインナップ拡充を図るなど、インドでの四輪事業をテコ入れする計画だ。だが、ホンダのインド四輪事業は、旧来の意思決定と行動の遅さに加え、情報収集・分析能力の低さによって、「起死回生の賭け」には早くも「大誤算」が生じている。

合弁相手を「裏切り」増資を強行

 昨年十二月、デリー郊外ノイダにあるHCI本社。四十年ぶりの寒波が襲う中、忘年会では嫌なことを忘れて社員一同、美酒と余興に酔いしれた。だが、どうもスッキリしない。それもそのはずだ。一二年(一~十二月)の業績が前年比二〇%の減収、前年比三倍となる六十億ルピーの赤字と惨憺たる状況なのだ。  イ・・・