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経済

《企業研究 》JXホールディングス

霞む「和製メジャー」への道

2013年2月号

「組織において検査および検査管理が適切に実施されておらず、保安管理システムの継続的改善を求めている認定基準への不適合が認められる」
 昨年暮れ、経済産業省はこう“断罪”してJXホールディングス傘下のJX日鉱日石エネルギー・水島製油所に対し、高圧ガス保安法に基づく完成検査および保安検査に関する認定の取り消し処分を下した。同法では国が定めた基準や手続きを順守する形をとれば、事業者自らがタンクなど自社設備の保安検査を行うことができるとされている。今回の行政処分によりJXは、その「特権」(事情通)を失ったのだ。

 謹慎期間は二年。この間JXは自ら法定検査を行うことは許されず、水島製油所のある岡山県知事または指定検査機関が行う検査を受けなければならない。当然ながら、検査コストが膨れ上がるのは必至。検査部門の稼働率低下も不可避だ。

「JXの悪事」で備蓄計画に支障も


 露見―。水島製油所でのLPガスタンク保安検査における虚偽報告が表沙汰になったのは昨年七月中旬のことだった。・・・