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経済

トヨタ「経費不正請求」事件の闇

ひた隠す「核心」に豊田家の影

2013年2月号

 豊田家に何らかの所縁のある人物か、あるいは経営中枢に連なる首脳陣の誰かと浅からぬ関係にある人物ではないか―。社員らの間ではこんな臆測がしきりだ。  暮れも押し迫った昨年十二月二十七日夕方になって、トヨタ自動車が発表した元従業員らによる経費不正請求“事件”。技術部門に籍を置く複数の元社員が交際費や出張旅費などを「業務委託費」の名目で取引先からトヨタに請求させるとともに、自らも同じ経費を会社に二重請求していたというもので、トヨタによるとこうした不明瞭な経費の支払いは「二〇〇九年度から一一年度までの三年間でおよそ三億円」。車両開発に関する新たなコンセプトの研究・調査業務に携わっていたとされる元社員らは、うち判明している分だけで数百万円を懐に入れていたらしい。要は取引先を抱き込んで不正に加担させ、私腹を肥やしていたというわけだ。  だが、よく考えると、いやよく考えなくてもこれは「明らかにおかしい」と、トヨタ幹部は首を捻る。いかなる手段を使って掻き口説いたのか、はたまた優越的地位を乱用して圧力をかけたのかは分からない。けれども、いくら世界屈指の巨大自動車会社勤務の名刺がモノを言った・・・