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経済

「国際企業」日揮の宿命

「高リスク」の国で稼ぐしかない

2013年2月号

 アルジェリアの天然ガス施設で日揮が受けた被害は、戦時を除けば近代日本の企業が海外で受けた最大の犠牲だっただろう。テロそのものの規模も大きかったが、犠牲者を出した七カ国(アルジェリア除く)の国籍のなかで日本人が最も多かった。施設の主操業者である英国のBPよりも建設を請け負った日揮の方が大きな人的被害を出したのだ。そこから垣間見えるのは自国政府から何の支援もないまま、テロなどのリスクのある世界の隅々にまで展開せざるを得ない日本企業の悲劇である。

環境変化に耐えてきた

 今回の事件が起きるまで日揮という会社を知らなかった人も少なくないだろう。大手プラントメーカー、エンジニアリング会社といわれても具体的に何をやっているか、一般の人の目に触れる機会は少ないからだ。重工メーカーのように国内に工場があって巨大な設備をつくって輸出するわけでも、大手ゼネコンのように高層ビルなど人目につく建設工事をするわけでもない。プラントの設計、設備や部材の選定・発注、建設工程の管理、プラントの稼働などを担い、関係する多数の企業の調整にあたる。建設されるのも多くは今回のように人・・・