政権の「アキレス腱」麻生太郎
「安倍の次」への意欲か
2013年2月号
第二次安倍晋三内閣が発足して約一カ月。今のところアベノミクスは奏功し、株価は上昇して円安は進んでいる。日本銀行は軍門に降って二%の物価上昇率目標の導入を柱とする政府との共同声明を発表し、財界も沸いている。
アルジェリア人質事件や沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中間の緊張の高まりなど、外的要因によるマイナス材料もあるが、安倍首相の「再チャレンジ」はおおむね順調にスタートしたと言えそうだ。
民主党政権がひどすぎたためか内閣支持率も六割前後を維持しており、野党も意気は上がらない。安倍首相は二月後半には訪米してオバマ大統領との会談に臨み、日米同盟の強化を発信する予定だ。
客観情勢を素直に見ると、意外なぐらい安倍政権の弱点は少ないのだ。このまま夏の参院選をしのげば、小泉純一郎内閣以来の長期本格政権も視野に入ってくる。
ただ、そんな順風下にあって、周辺が密かに「アキレス腱となるのではないか」と危惧するのが、皮肉なことに安倍首相の盟友であり、安倍政権の柱石である麻生太郎副総理兼財務相だ。