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政治

安倍「ワンマン体制」の危うさ

官邸一極集中で党内は「空洞化」

2013年2月号

 三年三カ月ぶりに政権与党に復帰した自民党。東京・永田町にある党本部は連日、陳情客や霞が関の官僚たちの来訪で活況を呈する。閑古鳥が鳴いていた野党時代が嘘のようだ。その党本部の玄関で来訪客をさばく受付の様相が一変した。受付台に設置されていたガラスの囲いが取り除かれたのである。指示したのが幹事長石破茂だ。 「開かれた自民党にしなければならない」  石破が語る撤去の理由だ。しかし、この囲い撤去によって石破は党内の嘲笑にさらされる。 「幹事長が自ら指示してやるようなことかいな。考えていることのスケールがあまりに小さい」  もともとガラスの囲いは右翼によって銃弾を撃ち込まれたのを契機に防犯のために設置されたものだ。今も弾痕が天井に残る。受付嬢の防寒対策を兼ねて、分厚い防弾ガラスが使われていた。

巧妙な“石破潰し”の罠

 石破が百人を超える新人議員に対して年末年始の行動予定表の提出を求めたことも、石破評の低下に拍車を掛けた。自民党長老も「政権与党の幹事長は事実上の総裁であるという自覚がない」と石破の限界を厳しく酷評した。  なぜ石破はこ・・・