《土着権力の研究》滋賀県 大野和三郎県議会議員
土建政治を推進する保守系県議の大物
2013年2月号
総選挙直前の昨年十一月、現職の嘉田由紀子知事が「日本未来の党」を立ち上げ、全国的な注目を浴びた滋賀県。しかしその後の総選挙で惨敗して未来の党は分裂、嘉田知事は代表を辞任した。一時とはいえ、第三極の一角を占めた新党の“顔”を瞬く間に引きずり降ろしたのは、県議会最大勢力の自民党県議団だ。「知事と党代表の兼務が県政に支障を及ぼす」と県議会で猛烈に追及し、十二月二十六日には兼務解消を求める決議案を提出し、可決した。知事周辺から「県議会で執拗な批判が続いて、知事は疲れ果てたのだろう」という声が出たのはこのためだ。
嘉田知事や越直美大津市長といった女性首長の登場でリベラル色が強い印象の滋賀県だが、県議会(定数四十七、欠員一)は他県と変わらず、自民党が二十五名と過半数を占めている。
加えて、二〇〇九年の総選挙で自民党は滋賀県四選挙区で全敗、さらに全選挙区で勝利した今回の総選挙では年齢制限で若手候補ばかりが顔を揃えた結果、政治経験が乏しい新人国会議員よりも、ベテラン県議の方が政治力で上回るという「逆転現象」が生じている。
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