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習近平を悩ます「チベット問題」

党内権力闘争の新たな「火種」

2013年2月号

 新年早々、中国西部のチベット自治区、青海省、四川省などのチベット人居住地域で、「・封山・が始まった」と複数のチベット仏教の僧侶が証言する。例年より約一カ月早いという。昨年秋に発足した習近平政権は、これまでの締め付けを中心とする高圧的なチベット政策を改めるのではないかと期待されたが、チベット関係者の間では落胆の声が広がっている。 「封山」は中国語で森林などを保護するため指定された地域で一定期間伐採や家畜の放牧を禁じることを指す言葉だが、チベット関係者の間では別の意味で使われる。毎年春、観光客や外国人がチベット人居住地域に入ることが制限され、地域内でインターネットや携帯電話などの通信手段が使いにくくなり、チベット人の自由が制限されることを「封山」という隠語で表現している。

融和策に強く抵抗する胡錦濤

 この時期になると、治安当局者はチベット人僧侶らへの尾行や盗聴などを盛んに行う。情報が遮断されているため、外国メディアに報道されることは少ないが、不当拘束や暴行致死事件なども頻発しているという。  チベット暦では、今年は二月十一日が正月にあ・・・