二期目を迎えた米国のオバマ政権が、中南米政策の転換に取り組んでいる。発展著しいブラジル、メキシコとの経済関係強化を見越したもので、政治中心の外交から、経済に力点を移す意図がある。中国の積極的な中南米進出もにらんだ動きだ。
「チャベス後」にリセット
一月十五日、ベネズエラの首都カラカスで、ニコラス・マドゥロ副大統領は厳粛な表情で年頭演説に臨んだ。チャベス大統領が健在の時には、一日がかりの独演会で、昨年は九時間しゃべり続けた。五十歳の副大統領はわずか七分で切り上げたが、それでも野党議員は途中で一斉に退席した。
首都では連日、チャベス支持派と反対派のデモが交錯する。キューバで治療中の大統領の病状が芳しくないとされるだけに、「チャベス後」は切迫感を増す。「この男を支持してくれ」と後継指名された副大統領は、まるで選挙運動のように国内を遊説。国営テレビは、バスの運転手から出世を遂げた副大統領を毎日ニュースで取り上げている。
ベネズエラが大統領交代に動く中、ワシントンも主敵の退場を機に「中南米政策のリセット」を図っている。
「一期目の・・・