「第四のメガ銀行」設立構想が浮上
りそな―あおぞら―新生統合の秘策
2013年1月号
シャープ、ソニー、パナソニックなど、わが国産業界を代表するような大手製造業が未曽有の危機に瀕している。国際競争力の低下どころか、単独での生き残りすら危ぶまれているのが実情だ。こうした、過去には予想だにしなかった事態が産業界で進行しているその一方で、日本経済の「アキレス腱」として浮き彫りになり始めたのが、銀行業界の「底の浅さ」である。大銀行同士の統合が繰り返された一連のメガバンク再編劇からほぼ十年が経過し、その「歪み」とも言える状況を目の当たりにし、産業界では不安の声が強い。
ある大手製造業の財務担当役員はこう漏らす。「大手銀行に限れば、数が少なくなっただけではない。すべての銀行が没個性といえるほどに同じビジネスに終始している。すでに一部動き始めた外資系金融機関の日本撤退が今後本格化していく中では、状況は極めて深刻だ」。
確かにそうである。一九九〇年代後半の金融危機以前には二十以上もあった大手銀行は、いまや三メガバンクグループのほかに、四グループしかない。産業界の資金需要が低迷しているため、その縮小ぶりはさほど強く実感されないが、今後仮に資金需要が拡大することがあれば、・・・