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経済

《企業研究 》三菱重工業

揺らぐ日本製造業の「代名詞」

2013年1月号

「それで一体、ウチはどういう位置づけになるんだ」。三菱電機関係者が不信を募らせる。

 火力発電設備を中心とする主力の電力システムで日立製作所との事業統合を決めた三菱重工業。近く立ち上げる統合準備委員会で詳細な条件を詰めたうえ、二〇一四年一月を目処に三菱重工六五%、日立三五%の出資比率で受け皿新会社を設立し、ガスタービンやボイラーなど火力発電の中核設備のほか両社の地熱発電、環境装置、燃料電池事業などを全面移管する。

「技術と人材を生かすまさに最強の組み合わせ」
 一二年十一月末に行われた統合発表記者会見では日立の中西宏明社長がこう自讃すれば、三菱重工の大宮英明社長も「サービスなどの分野でも強みを持ち寄って大きなシナジーを出していきたい」と応じるなど、両トップの蜜月ぶりは傍で見ていて何やら面映ゆくなるほど。

 経営統合の可能性こそ否定したものの、今後は「原子力発電事業統合の可能性や高速鉄道など交通システム分野など他の社会インフラ事業における連携の道も探っていく」として、しきりと一体感をアピールする。
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