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経済

東証のあざとい「収益拡大策」

投資家軽視の格上げ「乱造」

2013年1月号

 東京証券取引所と大阪証券取引所の経営統合による日本取引所グループ発足を翌月に控え、上げ潮ムードに包まれていた十二月の証券業界。折しも同十九日には、まるでご祝儀相場のように、八カ月ぶりに日経平均一万円台を回復し、新たな船出に華を添えたかたちとなった。  その一方で、東証一部銘柄がここにきて突如、増加し始めたことに市場関係者の間で危惧する声が広がっている。「東証一部」といえば、上場企業にとってはまさに最終ゴールとも呼べる勲章であり、金融機関への信用度や社会的ステータス、リクルーティングの上でもそのメリットは計り知れない。東証一部上場銘柄数は直近のピークだった二〇〇七年の一千七百二十七から、景気低迷による企業業績の悪化や上場企業同士の合併などが活発化し、三年連続で減少。一〇年末には一千六百七十となった。一一年から増加に転じるなか、一二年は二部や東証マザーズから一部へ「格上げ」される銘柄が「バーゲンセール」(証券業界関係者)のように急増しているのだ。

「裏口上場」のそしりを恐れ

 十二月二十五日現在、予定を含めて東証二部から一部へ指定となった銘柄・・・