《クローズ・アップ》奥田隆司(シャープ社長)
危機の「百年企業」を背負う
2013年1月号
創業百周年を迎えた二〇一二年度に、皮肉にも創業以来最大の経営危機を迎えている液晶の雄シャープ。海外経験の豊富さを買われ、十二人抜きという「抜擢人事」で再建を託された奥田隆司氏だが、すでに身の置きどころがなくなっているようだ。
「社長就任を打診されたとき、驚きのあまり言葉を失い、自分が適任かどうか悩んだ」という奥田氏に期待されたのは、町田勝彦相談役が数年来、交渉を重ねてきた台湾・鴻海精密工業からの出資交渉をまとめ上げることだった。だが、郭台銘董事長との交渉は引き続き町田氏が行い、奥田氏はその「お付き」という役回り。しかも、シャープの想定以上の株価下落で周知のとおり出資交渉は暗礁に乗り上げており、「鴻海はシャープが倒れるのを待っているとしか思えない」(業界紙記者)といわれる始末だ。
かたや、代表権のない会長へ飛ばされた片山幹雄氏が、数々の条件付きながらも米クアルコムとの出資交渉をまとめてきたため、奥田氏への風当たりは一層強まっているという。
鴻海との出資交渉を前進させるには株価の上昇を図るしかないのが現状だが、ここでも・・・
「社長就任を打診されたとき、驚きのあまり言葉を失い、自分が適任かどうか悩んだ」という奥田氏に期待されたのは、町田勝彦相談役が数年来、交渉を重ねてきた台湾・鴻海精密工業からの出資交渉をまとめ上げることだった。だが、郭台銘董事長との交渉は引き続き町田氏が行い、奥田氏はその「お付き」という役回り。しかも、シャープの想定以上の株価下落で周知のとおり出資交渉は暗礁に乗り上げており、「鴻海はシャープが倒れるのを待っているとしか思えない」(業界紙記者)といわれる始末だ。
かたや、代表権のない会長へ飛ばされた片山幹雄氏が、数々の条件付きながらも米クアルコムとの出資交渉をまとめてきたため、奥田氏への風当たりは一層強まっているという。
鴻海との出資交渉を前進させるには株価の上昇を図るしかないのが現状だが、ここでも・・・