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政治

繰り返されるバラマキ農政の愚策

「選挙対策」で与野党が結託

2013年1月号

 国の基幹たる農林水産業を大きく育てる「起爆剤」か、はたまた、赤字を垂れ流す新たな「バラマキ」か――。二〇一三年二月初旬、「株式会社農林漁業成長産業化支援機構」が農林水産省の肝煎りで船出する。農林水産業をベースにした新たなビジネスを支援するファンドに出資する会社で、同社が事業体に直接出資することもある。国が株式の過半を持つから、事実上の「国策会社」だ。 「与野党対立でほとんど何も決まらなかった先の通常国会で、会期末直前、全会一致で農林漁業成長産業化支援機構法(通称・六次化ファンド法)が通りました。がんじがらめだったこれまでの補助金とは違い、使途の制限のないカネが長期にわたって出る仕組みです。これは使えますよ」。ある民間ファンド関係者はこう語り、喜びを隠さない。  それもそのはず、この機構が担う農業支援たるや、極めてバラマキ色の濃い施策にほかならず、制度は聞けば聞くほど欠陥だらけと、あまりに杜撰なのだ。

「返す必要のない補助金」

 同機構による支援対象は、農林漁業と製造業と流通・販売とをつないで新たなビジネスを構築し、利益を農林水産の現・・・