《政界スキャン》
呑気過ぎた日本人
2013年1月号
言葉にこだわるようだが、右傾化とか右寄りとか、「右」発言が目立っている。しかし、「右」の基準、具体的な意味合いがはっきりせず、こうした一種のレッテル主義は、豊かな議論の展開を阻むと思われる。
自民党の安倍晋三総裁が十一月末、衆院選に向けた政権公約を発表した時、「朝日新聞」の社説(十一月二十二日付)は、
〈自民党の公約には、勇ましい言葉で国民受けを狙う右派的な主張の危うさを感じざるをえない〉
と決めつけた。右派的とみるのは、従軍慰安婦問題をめぐる河野官房長官談話(一九九三年)の見直し、尖閣諸島への公務員の常駐方針などだ。なぜか、憲法改正には触れていない。さらに、
〈そんな強腰の外交で、どのように近隣国との関係を立て直すつもりなのか〉
とも書いている。強腰を右派的とみているようだが、そうでないのは何腰なのか、それは何派的と呼ぶのか、説明がないと説得力に欠ける。
粘り腰外交は必要だが、まさか右派的とは言わないだろうし、状況に応じて強腰に出なければ、国益は守れない。外交のイロハだ。
・・・
自民党の安倍晋三総裁が十一月末、衆院選に向けた政権公約を発表した時、「朝日新聞」の社説(十一月二十二日付)は、
〈自民党の公約には、勇ましい言葉で国民受けを狙う右派的な主張の危うさを感じざるをえない〉
と決めつけた。右派的とみるのは、従軍慰安婦問題をめぐる河野官房長官談話(一九九三年)の見直し、尖閣諸島への公務員の常駐方針などだ。なぜか、憲法改正には触れていない。さらに、
〈そんな強腰の外交で、どのように近隣国との関係を立て直すつもりなのか〉
とも書いている。強腰を右派的とみているようだが、そうでないのは何腰なのか、それは何派的と呼ぶのか、説明がないと説得力に欠ける。
粘り腰外交は必要だが、まさか右派的とは言わないだろうし、状況に応じて強腰に出なければ、国益は守れない。外交のイロハだ。
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