「再起不能」の民主党
復活の芽を摘む「輿石支配」
2013年1月号
驕れる人も久しからず ただ春の夜の夢の如し――。『平家物語』が説く世の無常の一例だろう。三年三カ月前の衆院選で三百八議席を獲得してこの世の春を謳歌した民主党政権は、今回の衆院選では有権者の鉄槌をくらい、今や五十七議席にまで落ちぶれた。
「この民主党の立て直しのために粉骨砕身、私をむなしくして努力する」
民主党新代表の海江田万里元経済産業相は十二月二十五日の党代表戦で馬淵澄夫元国土交通相を下した後、こう再生を誓った。
だが、前途は険しく多難だ。野党からの「嘘つき」批判を恐れた野田佳彦前首相の「独り善がりな自爆テロ解散」(田中眞紀子前文部科学相)によって、民主党は結党以来の危機を迎えている。
もっとも、マニフェストにない消費増税に命を懸け、選挙戦術を誤った野田氏だけが悪いのではない。長年にわたり党の二枚看板だった鳩山由紀夫、菅直人の両元首相もそれぞれ「ルーピー」「ペテン師」と見切られてしまった。
有権者が民主党の政権運営に覚えた失望と怒り、不信の念はあまりに強く、今後もそう簡単には払拭されそうにないのだ。