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中国「尖閣領空侵犯」の真相

習近平と軍強硬派の対立鮮明に

2013年1月号

 中国の新しい指導者になった習近平・共産党総書記が動き出した。第一歩は二〇一二年十二月、改革派の指導者、鄧小平の足跡をたずねて広東省を視察した「南巡」だった。保守派か改革派か、立場のはっきりしなかった習近平が、改革派のコートを身につけたのだ。  威信に欠ける習近平が、最高指導者だった鄧小平の威光を借りようとしていることは明らかだ。鄧小平路線の継承が、経済分野の改革にとどまるのか、政治体制の民主化にまで踏み込む決意があるのか、今はまだわからない。だが、その行動は党内の保守派にとっては大きな衝撃だった。  習近平政権はいま過渡期にある。二〇一三年三月の全国人民代表大会(全人代)で国家主席や首相など政府、議会ポストが改選され、習近平が党総書記と国家主席と党中央軍事委員会主席という党・政・軍の三権を完全に掌握するまで、十一月の党大会で起きた党内抗争の余震は続く。いまだ落ち着いていない中国政局、そこに習近平の南巡でたちどころに余震が起きた。

鄧小平の改革政策継承を表明

 十二月十三日午前、沖縄県尖閣諸島の上空を中国海監総隊に所属する小型機、Y1・・・