中国もロシアも前途は暗い
米政府の世界情勢予測
2013年1月号特別リポート
二〇一三年一月の時点で、日本周辺の国際情勢をどのように認識したらいいか。国際法的観念に薄いとしか言いようのない中国を、米国とアジア諸国が露骨ではないにしても、漠然と取り囲むイメージが浮かぶだろう。ロシアはイラン、シリア、北朝鮮の三国をめぐって中国と二人三脚で走っているように見受けられるが、ロシア極東部への中国の進出に対して次第に警戒の念を抱くようになってきた。
そんなところに、米中央情報局(CIA)などの情報機関を統括する米国家情報会議(NIC)は十二月十日、世界情勢の今後十年から二十年を予測する「世界情勢二〇一三年」を公表した。これによると、中国は二〇年代に米国を抜き、世界最大の経済大国になるかもしれないが、所得格差の拡大や権力機構内部の腐敗に対する大衆の不満が高まり、外部に向かって攻撃的な姿勢が強まることもあるという。
ロシアは経済がもっぱら石油などのエネルギー資源に依存する体質を持ち、そこに少子高齢化が進むと重大な事態を迎えるかもしれないとの予想が立てられている。米国は相対的な衰退傾向の中でも依然として優位な立場を維持し続け・・・